李朝（李氏朝鮮）の黄銅製骨董からくり錠前と鍵です。 本体片面には美しい花鳥文様が刻まれ、底面には、成功や繁栄の象徴とされる魚（鯉）の装飾が見られます。 この種の形状の錠前では通常、鍵穴が露出していますが、出品の錠前は、いずれの面にも鍵穴は見られません。また、これらのロック機構は一般的な板バネによるものです。 付属の鍵で解錠でき、施錠状態も問題ありません。解錠方法はそれほど難しくはありませんが、ご購入の上トライしていただきたいと思いますので詳細説明は省略します。 隠れた鍵穴を出現させるには試行錯誤が必要になるかも分かりません。付属の鍵を使わずに写真７の状態にするには、端にある可動する飾り摘みを操作し、何かをします。これがヒントです。 鍵穴を出現させる操作を経て、鍵穴に鍵を差し込み奥にスライドさせることでロックが外れ、板バネ部の先端が本体からさらに飛び出します。飛び出た先端を手で引き出すと、本体から分離できます。（写真８～１２） 施錠は、飛び出した板バネ部を手で押し戻しロックできますが、施錠軸先端を本体の対向穴に貫通させる必要があります。回転する側面板の穴を貫通させずにロック状態になれば、再度解錠し施錠仕直します。 経年による汚れや錆、キズなどが見られ、目立つ凹みや変形はありませんが、からくり仕掛けのため、側面板など可動部には「あそび」があり、それによるガタはあります。 大きさ（㌢）重さはおよそ次の通りです。 横幅１７．５、高さ５、厚み４．５／ 施錠域（幅×高）９×１、径０．５／ 重さ６６５㌘／ 鍵（長×幅）１５．３×２／ 底に剣の立体装飾のある黄銅製からくり錠前を先に２点出品しています。その１点とは、装飾やからくり構造の点で大差はありませんが、今回のからくり錠前は、幅約２倍、重さ約３倍の大型で、鯉の立体装飾です。より大きな李朝箪笥などの飾り錠前として使われていたことは想像に難くありません。具体的な年代は分かりませんが、長年使われていた、汚れや傷の状況に相応の経年品だと思われます。 解錠にトライしていただき、コレクションだけでなく、インテリア飾りなどとして活用していただければ幸です。 なお、施錠用としては経年品であることを理解いただいた上でお使い下さい。鍵の紛失、重量物であり落下やぶつけにも注意下さい。